自家消費のススメ
2050年にカーボンニュートラルを目指すって言っていますが、それでも2100年には危険水域を超えるかも知れません。
子や孫やその先の世代の為に出来ることってなんだろう・・・。
連綿と続く命のバトンを一緒に紡いで行けたら、それはとても幸せなことだと思います。
実は多数の商社様やモジュールメーカー様、インバータ機器メーカー様をはじめ、様々なところで「再エネ自家消費時代のご提案手法」という不肖・私の作らせていただきました資料をもとに勉強会を開催させていただいておりまして、本当に時代が「自家消費×蓄電システム」に追い付いて来たことを肌身に沁みて感じる機会が増えております。
年間ベースで考えると非常に大きな差益となる「経済メリット」はもちろんのこと、
社外へ向けた環境メッセージにもなる「宣伝メリット」や、
取引先様との関係性を良化させる「取引メリット」、
ESG投資という枠組みの中でバンカブルからの融資を受けやすくする「融資メリット」、
万一の災害時に近隣へのエネルギー供給を可能にする「地域BCPメリット」など、
枚挙に暇がありません。
例えば屋根上で発電した電気エネルギーを屋根下の需要負荷にて使用しまして、余った電気を売るのであれば余剰売電となりますし、余った電気は一切売らないのであれば完全自家消費システムとなります。
但し、大きな大きなメリットと引き換えに、一般にはRPRやOVGRなどの保護継電器の設置や、構内負荷をセンサリングする為のデマンド制御機器も必要でしょう。
それでも、完全自家消費システムが導入されている設備におきましては、設備負荷をデマンドコントロールすることで、例えば三相200Vのパッケージエアコンを上手に制御して、30分デマンド値が高くなるに連れエアコンの挙動を抑えるのがデマンドコントロールというものですが、施設に再エネ(太陽光)や蓄電池が設置されていれば、このような30分デマンド値が高くなっていく時に、再エネや蓄電池からエネルギーを放出することで、年間ベースで考えた場合の購入電力の基本料金を削減する方向に働き、結果大幅なコスト削減に寄与することも可能になります。
また、屋根上の発電設備がなく、遠い場所で発電している自社の発電設備からの電気を自己託送という手法で需要地まで運んで来ることも一種の自家消費の形態となります。
自家消費ではなくとも、再エネ由来の電気を証書で買い取るビジネスもあったり、弊社も多数ご依頼いただいております「PPA」「TPO」などと言いました「第三者所有モデル」という考え方や、市域を包括的にエネルギーマネジメントする「VPP」という取り組みへのご依頼も増えて来ております。
日本ほど電力インフラの発達した安心出来る国はありません。
完全なオフグリッドではなく、上手に電気エネルギーを創り、消費して、足りない時は蓄電池から放出し、それでも不足する場合には(系統から)分けて貰える安心感も必要だと感じています。
自家消費向けセミナー資料より抜粋しました。
未来のエネルギー
たくさんのエネルギーがあって、たくさんの使われ方をしているエネルギー。
電気だけじゃなく、熱やガソリン(石油)だってエネルギーの1つです。
今なぜ再エネ(再生可能エネルギー)の普及を助ける方向にベクトルが向き、世界中でその機運が広がっているのでしょうか?
それはやっぱり地球温暖化?
2018年にこの電力インフラの最先進国である筈の日本で突如起こった北海道でのブラックアウト。
管轄電力エリア内の電源をすべてロストするというまったく想定になかったブラックアウトは、私達エネルギーの業界でも誰も予想だにしていなかった青天の霹靂とも言うべきことでしたし、他地域でも頻発した台風による豪雨被害や数日間に渡る停電など、多分初めて地球温暖化を肌で感じた1年だったと記憶しています。
続く2019年には度重なる台風による長期の停電が千葉県を襲ったのは記憶に新しい衝撃でした。
地球は残念ながら温暖化というレールに乗ってしまっているようです…。
温暖化は様々な問題を引き起こしますが、ただ気温が上がるだけでなく、急な天候の不順を巻き起こし、実は暑さと寒さが交互にやって来るような不安定な地球に誘ってしまうそうです。
世界的に著名なグレタ・トゥンベリさんの発言に一番批判的なのは日本の大人たちだと言われているそうです。
確かにSNS上での批判的なご意見は多く見られます。
僕は思います。
発言することはとても勇気のいることで、発言した途端、その言葉は世界中を駆け巡り、意図したものを遥かに超えて広がることもあったりします。
発信者は常に批判に晒される勇気がないと出来ないですし、信念がないときっと潰されてしまいます。
再エネの為に不要に森を潰し、開墾し、近隣の不安を煽ることは本当の意味での再エネではありません。
でも例えばご自宅の屋根に太陽光発電システムを設置して、一番近い発電所(屋根上)から一番近い需要地(ご自宅)で大切なエネルギーを余すことなく100%使えるとしたらとても素敵なことだと思いませんか?
電力のインフラ(発電所→送配電線)を使用してご自宅に流れ着くエネルギーの実効効率はかなり低く、大きくロスしていることを鑑みれば、まさに地産地消、一番小さなMicro Gridです\(^o^)/
原発は純国産のエネルギーであり、エネルギー自給率の向上やCO2排出の点で優れていて、これにすべきというご意見もよく聞かれますが、僕はこう思います。
もし仮に地球が寿命を迎えるとしても、10000年先の未来でも未確定な(可能性のある)核廃棄物の安全な処理方法を遥か未来の子や孫たちに一任することは出来ないし、福島のような被害を二度と出してはならないと、あの日の津波の映像を見て強く感じています。
化石賞を二度も受賞した日本ですが、石炭火力がこの国を支えて来たことは間違いがありません。
それでもこれからを見据えた時、何か考える時が今なのではないでしょうか?
再エネは完全ではなく、まだまだ発展途上のよちよち歩きです。
大規模開発や森を潰してまでするものではなく、それでも再エネにしか出来ないものや、ロマンがそこにはあると思っています。
これからも、きっと、ずっと。
再エネって何?
読んで字の如く「再生可能エネルギー」の略ですが、「で、なんのこと?」…ですよね(笑)
ちょっと掘り下げてみます。
2009年7月1日に定められた法律に「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進」に関するものがあり、まさにこれが再エネを定義したものです。
簡単に言えば、従来の化石燃料などの枯渇する(ことが予想される)資源ではなく、永続的に資源が枯渇せずに使用可能なエネルギーを使用したもののことで、COP25にて不名誉ながらも2回も受賞してしまった化石賞に紐解き、石炭火力発電や石油火力発電、天然ガス火力発電などではなく、また、ウラン燃料も有限の資源なので原子力発電も含まず、太陽光発電や風力発電、水力発電やバイオマス発電(厳密にはバイオマス発電に関してはカーボンオフセットという微妙なルールによりますが…)などのことを指します。
とても素晴らしいものですが、そもそも太陽光モジュールや風力発電機を作り出すのにCO2を排出しますから、生産〜発電中〜廃棄に至るトータルな生涯に及ぶCO2の在り方が問われているんです。
人間はその「生きる」という明確な命題の中で、物を創り出し、利用する生き物ですから、この生産に資する部分を咎めだしたら人間ではなくなってしまうのかも知れませんね。
最近、地球温暖化は起きていない…とか、逆に寒冷化が始まっている…とか、結構「反・地球温暖化」の議論がされていますが、それでも地球は回っている(ガガーリン様)…じゃなかった(笑)、それでも地球は悲鳴を上げているという点で一致出来るなら、やっぱり何かしないとって僕は考えています。
例え間違った行動だとしても、そこに嘘がなければ、そこに本当の思いがあるなら、きっと地球上のみんなが、未来の地球の子孫たちが、きっと納得してくれるんじゃないかなぁ…。
後悔先に立たず、まさに後悔とは何かをしたことに対して湧き上がる思いであり、何もしなければ生まれないものです。
後悔したらしたで、その時にまた知恵を絞って考えましょう(笑)