環境エネルギーの現在地
日本でも2020年10月に当時の菅首相が遠くて近い未来である2050年のカーボンニュートラルを宣言し、それによって地球温暖化への危機が叫ばれるようになり、この業界の人間だけでなくすべての人たちがこれに抗する生き方をちょっとずつ考えるようになってから、振り返って現在(いま)のポジションを考えてみました。
少し前ならFITこそが再エネの未来を背負っているような錯覚を覚える人も多かったでしょうし、レジ袋の有料化に議論紛糾、「ふざけんな!(大多数)」とか「その通り!(ごく少数)(笑)」とか言われていましたが、あっ・・・と気づくと現在(いま)は誰もが納得しているのか?・・・はたまた諦めているのか?・・・、いや、多分誰もが納得してマイバッグを持参する生活になっているように感じます。
時間って本当に人々の心を癒すんですね。
※失恋なんかもそうですね(T_T)・・・確かに!
その時々で打ち出された施策には賛成や反対が蠢くことこそ民主主義の在り方と言えばそうですし、その後時(の経過)と共にみんなの心が変わっていくのも人間としての在り方なんでしょう。
寄り道しましたが、今の僕の現在地点はやっぱり系統用蓄電池です。
① 地球温暖化に抗する為に自然エネルギーを増やして行く・・・
② そうすると従来は化石燃料でシェアしていた電力系統が悲鳴を上げる・・・
③ 系統の需給調整が難しくなり、再エネは悪でベース電源たる原発の再稼働が進む・・・
④ それでも世界の潮流に遅れてはならぬと政府は再エネを(口では)礼賛する・・・
⑤ そもそも”再エネの拡充”とベース電源たる”原発の再稼働”は真逆のベクトル・・・
⑥ 世論は現在(いま)を生きている自分たちの世代の安定供給を叫ぶようになる・・・
⑦ 不安定な再エネを蓄電池とセット(ペア)にすることで系統が調整可能に・・・
⑧ 蓄電池の価格の落ち着きと共に、系統用蓄電池が系統安定化の主役に・・・
こんな流れだと僕は勝手に理解しています(笑)
⑤の真逆のベクトル・・・を少しだけ説明しますと、再エネが増えるとご存じの通り各地で出力制御が起こり、結果せっかく増やした自然エネルギーの出力を制御する方向に働きます。
ある機関の試算では、再エネ(現在は20%ちょっとのシェア)を半分(50%のシェア)にすると、その再エネの40%近くは出力制御されて運転を停止する・・・なんて試算も・・・。
ここで原発の再稼働や新型の(高効率)火力発電などが再稼働することで、ますます調整が楽な再エネの出力が制限されるようになります。
つまりは再エネが需要に応えて供給出来る絶対容量が少なくなるということです。
だから、再エネを増やすことと原発の再稼働は真逆のベクトルで、相反するものなんです。
電力系統を何兆円とか何十兆円とかかけて増強して洋上風力などの拡充に備える(≒再エネを系統に載せて運ぶ余力を増やすということ)という国策が既に既定路線となっていますが、極論ですがそんなことをしないでも系統用蓄電池を分散設置することで系統の需給は調整されていきます(太陽光マターの理論ですが、それでも正しいベクトルだと考えています)。
日本で圧倒的メインの再エネと言えば太陽光ですが、太陽光は日中の日射で発電するのでお昼時は卸電力市場の最下限値である0.01円/kWhで売買されることがあり(海外ではマイナスの価格を付けることもあります)、逆に日射がなくなって発電出来なくなる夕方以降は1日の内でも一番高い20円/kWhとか30円/kWhとかの高値になることがあります。
この利差(アービトラージ)を利用して経済メリットを出すのが系統用蓄電池のビジネスモデルの一つなんですが、実はこれこそが系統用蓄電池が世界を救う。・・・理論です(笑)
0.01円の売れない電気を充電して、夕方以降の高い電気料金の時間に放電する・・・。
経済メリットを追求していたら自然に系統の需給調整を担ってしまっていたというのが系統用蓄電池の凄いところです!
苦しんで節約して我慢して何かを成し遂げるってなかなか出来ないんですが、楽しんで(経済メリットを追求して)笑いながら自然に電力系統を調整して自然エネルギーを増やしていたなんてとっても素敵ですよね!
今日の朝にふとこんなことを書きたくなり、ブログに認めました\(-o-)/
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