2019年問題と2032年問題
「2019年問題」とは、言わずもがな2012年のFIT「固定価格買い取り制度」に先駆けて2009年から住宅向けに始まっていた「余剰買い取り制度」満了の方々が、10年間の売電期間を経て買い取り期間が終了することにより、これまでは破格の@48円で余剰売電出来ていたものが、今後は自由に売り先を選択できるものの、売電単価は@7円〜@12円程度の何れかになってしまう為、従来の単価から(@48円-8.5円:東電参考単価=)@39.5円も下がってしまったり、また、購入単価は@26円を超えてきている状況の下では、売電すると(@26円-8.5円:東電参考価格=)@17.5円も損してしまう状況になり、売るよりも使う「自家消費」というベクトルに力が働き、蓄電池を付加することでタイムシフトしたりして、上手に再エネを貯めて使うライフスタイルになってきたことを言います。
また、「2032年問題」とは、FITのスタートにより始まった産業向け(10kW以上)の太陽光発電設備≒野立ての太陽光発電システムが20年間の役目を終え、その先の設備をどうするか?という問題を抱えながらも、売電を継続するにも自由契約となることが見込まれることから、その売り先を自分で決めていかなければならず、恐らくはVPP(バーチャルパワープラント)などのアグリゲーターを介した何らかのグリッドにおける調整電源として買われていくものだと推察されています。
何方にせよ大量の電源が当初の売電期間を終えることによる問題なのですが、もしこの2032年以降に発生する20年間の全量買い取りを終えた案件が次々にその役目を終えて閉鎖されたら、何の為に再エネを主力電源化し、二酸化炭素を発生させないような地球温暖化に抗する取り組みをしてきたのかが分からなくなっていまいます!
そもそもFITとはまさに補助金ですから、何某かの施策(この場合には地球温暖化に抗う再エネという考え方)を遂行する為に導入されたものなのにです。
「買い取り期間の満了を迎えたからもう太陽光はいいや」とかいう個人的な問題ではなく、人類が生き抜く為に必要不可欠な電源として継続されなくてはならないものでもある訳です。
子や孫の世代、いや、果てしなく続く未来の子どもたちが笑って過ごせる地球を維持することは正直に言ってかなり難しい段階ではありますが、それでも何かアクションしなければ、ただただ破滅への階段を加速度的に降りて行くことにもなりかねません。
いつかの未来に、我々のしたことが誇らしげに道徳(歴史かな(笑))の教科書の中で読まれるような、そんなことを夢見て日々頑張るしかないですね!
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